整体をしていると、人間の体は、単に筋肉や関節だけで語れない問題がたくさんあるなと感じています。
すごく難しい問題なんですが、心の問題、今まで受けてきたストレスによっても、カラダは大きく影響を受けてしまうのです。
よく整体をしている人がいう言葉に、「心と体は繋がっている」という言葉があります。
イメージをして欲しいのですが、体の痛みが強かったり、不調を強く感じる時に、テンション高く過ごすことは難しいでしょう。
仮にテンション高く過ごせていたとしても、それは空元気だったり、無理をしている状態だったり…。体と心に鞭を打って明るく振る舞っている人が多いように感じます。
反対もしかりで、心が落ち込んでいたり、心理的なストレスを感じている状況では、快適にカラダを動かすこともすごく億劫であることがイメージできるかと思います。
最近では、研究でも心(厳密にいうと脳)とカラダには密接なかかわりがあるという研究結果も出てきています。
難しい話を抜きにしても、心とカラダのつながりは切っても切り離せないものだと感じています。
心理的なストレスが、心もカラダも傷つける
現在関わっている方なのですが、全身の疲労感と痛みの訴えでセラピーを開始したお客様がいらっしゃいます。
まだまだお若い方なのですが、お身体を診ていると、身体的な弱さだけでなく、心理的にもストレスを強く感じてしまっており、カラダが弱ってしまっている状態の方でした。

全身の筋力が弱くなっており、呼吸は浅く、何よりもカラダから活力を感じられない…。
身体的にも、そして精神的にもストレスが強く感じている状態なのを感じます。
色々お話を聞いていく中で、本当に多くの要素からストレスを感じており、それを我慢している状態が続いているのを感じました。
色々なお話をしたのですが、その中で印象に残った言葉が、
「人生は我慢し続けることだと思っていた」
という言葉でした。
その言葉を聞いた時、自分より若い子が、これまでにどれぐらいのことを我慢し続けたのだろう、どれだけ悔しい思いをしているのだろうということを考えずにはいられませんでした。
それだけ日常的にストレスを感じ、我慢することが日常的になった状態では、身体にかなりの負担がかかっているが故の問題が生じていることが考えられました。
まずは自分のしたいことを考えることから始める
全身の状態が悪くなっている人の場合、いきなり運動をするのではなく、土台を作るためにカラダを整えていくことから始めます。
まず感じて欲しいのは「安心感」です。

安心できる土台がしっかりあるからこそ、頑張りすぎず、ストレスも減った状態で人と関わることができるようになります。
ただ、ストレスを過度に感じている方の場合、安心感を感じるまでに時間がかかることが見られます。
普段からストレスを感じてしまい、カラダが興奮、もしくは脱力しすぎている状態のため、日常的に安心感を感じることが少ない方は、体の変化やリラックスする感覚を感じることが困難になってしまいます。
また、心理的にストレスを強く感じている人の場合、身体的に変わっても、その方の物事の考え方や価値観が変わらないと、いつまでもストレスを感じ続けることになってしまいます。
なので、カラダを整えるのと同じくらいに、まずは自分の価値観や視野が狭くなっていることに気づけるように、関わりを行っていく必要がある、と僕は考えています。
どうしても、僕らは自分の価値観や普段の生活を壊したくない、という本能があり、どうしても視野が狭くなってしまう傾向があるのです。
なので、この場合も、クライアントさんの現状を理解した上で、少しづつ価値観をほぐしていく問いかけをしていきました。
最初は聞かれたことだけに返事していた子が、少しづつ自分のことを話してくれるようになり、最終的には将来どのように生活したいかなどもお話ししてくれるようになりました。
僕にはその人の価値観をすぐに変えるような話術も施術も持っていませんが、少しづつでも、その人らしさ、自分らしさを取り戻す関わりができたらなと考えて施術を行っています。
カラダと心の問題は関連している。そして心の問題を抱えている場合、回復までに時間がかかる、ということを常に感じています。
だからこそ、関わってくれた人に大切なことはなんなのか、どのような関わりが大事になるのかを常に考えながら介入を続けていきたいと感じています。